SHIROKUMA

だいたい自分用

『ファイト・クラブ』

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『ファイトクラブって面白い? 130分くらいあるんだよね~長いな。』なんて言ったら、
『体感1分だからっっっ!!』と返ってきました。

映画好きの友人の中でも、“クズ系男子がキャッキャウフフしながら輝くもの”を愛する男子2人が大好きな映画、とのことで、すっかりそっち系だと思ってました。
ブラピなので“クズ系”とは言わなくても、拳と拳で男の友情を確かめ合う的な。
普通に生活してたら関わることはなかったであろう対照的な二人が(ここは合ってた)、ぶつかり合いながら汗と涙を流しながらから最終的に うぇーーい! みたいな。


途中まではそんな感じだった(?)けど、あれよあれよという間に え?え? ってなってからの、ラストでどーーーーん!
わたしの中では立派な“どんでん返し系映画”でした。
やーなんかチラッチラ映るアレとか怪しいとは思ってたけどね~。


しかし監督は何を言いたかったのか?けっこう意見が分かれそう。
わたしなりの解釈はかなり偏ってるかもしれないけど。。


この映画は、怒り・ストレスなどを暴力で紛らわし、痛みを感じてしか“生きている!”と実感できない人の滑稽な部分を皮肉っている、バイオレンスなブラックユーモアに溢れた作品ではないのだろうか、と。

ブラックユーモアとかいうと、このシリアスさが激減してしまうようで違う気もするけど。


や、痛みを知るって大事よ。
大事だけど、ファイト・クラブに参加している人たちは、けっきょく傷の舐め合いをしに来ているように見えた。
リストカットもみんなですれば怖くない、のような・・。
途中からはもはや宗教団体。


でもわたしが否定的にとらえたのはみんなで行う“殴り合い”や、そこからエスカレートしていく“テロ行為”であって、
今の“その物で満たされた環境に満足しているのか?本当にそれでいいのか!?”みたいな監督の想いはすごく感じた。
誰だってこの主人公のように葛藤したことはあるはず。今の人生、楽しいかな?とか、ああなりたい、こうなりたいという憧れや願望。
わたしなんて現在進行形ですよ。ずーっと思ってる。ずーっとこじらせてる。たぶん、一生ついて回る。笑
それをある視点から複雑に、そしてブラックにシリアスに表現してるんじゃないかな。

そしてその滑稽さ・違和感を主人公が克服するカタルシスと、意外な結末が待っているからこそ、よくできた作品!と思えるわけだけども。


一歩間違えたらかなり胸糞悪い一本になった気がする。
これはわたしが“血・殴り合い・痛い”みたいなのが苦手だからってのもあるんだけど。
なんだかんだ言って、平凡を愛するわたしらしい意見なのか・・笑



や~けどラストシーンは圧巻で鳥肌でしたよ。もうハラハラしたしワクワクしたし。
またPixiesが最高でね~。
ラスト以外も、音楽や映像すべてにおいてセンスがいい映画でした。

あとブラピが出す、とある宿題で奮闘している各々の姿が愛らしくてよかったデス。



2回以降はいろんな伏線があるのを楽しめながら観れるそうなので、ちょっと今日また観ますわ。